勝野さん(司会)
まず、お二人の骨粗鬆症とのかかわりからお願いできますか。
青柳教授
地域で暮らしている方の骨粗鬆症予防で骨折を防ぎ、寝たきり防止に努めています。今は、大島町に月1回ぐらいのペースで行き、町保健センターの骨粗鬆症健診事業のなかで40歳以上の方を年間200人ぐらい診ています。
桐山 長崎大学医学部付属病院の第1内科でいわゆるホルモンに関する疾患、内分泌疾患、甲状腺、副腎、脳下垂体といった疾患を研究していました。その中でもカルシウム代謝疾患、特に骨粗鬆症を専門とする病院を開業したわけです。 一日に50〜60人の患者さんが来院され、3分の1ぐらいが骨粗鬆症の患者さんです。骨粗鬆症を専門とする開業医は、長崎県では初めてだと思います。
勝野さん(司会)
まず骨粗鬆症とは何なのかからご説明くださいますか?
桐山 骨の量が減って骨の中の構造が弱くなり、骨折しやすくなる状態ですね。
勝野さん(司会)
女性に多いのは何故なのですか?
桐山 女性ホルモンは骨の量を維持するのに大事なわけです。生理が終わる閉経で、女性ホルモンが減り、骨の量も急速に減るのです。ですから、50歳前後を境に女性の患者が非常に多くなります。
勝野さん(司会)
骨粗鬆症をめぐる最近の動向は?
桐山 例えば、動脈硬化といいますと加齢現象の一つですが、心筋梗塞、脳梗塞の原因になるということで治療しています。骨も年齢とともに量が減ります。必ず減るので、一種の加齢現象ということになります。病気かどうかと議論があったのですが、やはり高齢化社会が進むとともに骨折が多くなってきて寝たきりになる人も増えてきました。それで、最近では積極的に治療しようということになってきたのですね。世界的な動向です。
勝野さん(司会)
最新の診断法、治療はどうなっているのでしょうか?
桐山 骨粗鬆症の診断はここ10年ぐらいは、骨量を中心に測ってきました。最近では、骨構造、性状を調べなくてはいけないという傾向です。かなりの精度で調べられるようになってきました。骨構造は、CTで骨の断面を見ます。超音波を骨に通してスピード、波形がどのようになるかで骨の性状を見ようという考えもあります。
昔は、骨が折れてから骨粗鬆症ということになりましたが、全く無症状でも骨検診をして、量が少なければ将来的に骨折の可能性が高いので、ある量以下は積極的に治療しようという動きが出てきました。
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